津軽新田と共に歩む | |
土淵堰の世界かんがい施設遺産登録について | |
国際かんがい排水委員会(ICID)は、平成29年10月10日(火曜日)にメキシコ、メキシコシティーで開催された第68回国際執行理事会において、土淵堰を世界かんがい施設遺産として登録することを決定しました。 ※農林水産省 世界かんがい施設遺産 |
土淵堰 |
登録施設 | |
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概要 〜 津軽平野(8,300ha)を潤す地域発展の命運をかけて開削された大用水路 〜 | |
本地域は、標高の低い大規模湿地帯だったが、1644年に水田開発を目的として頭首工や溜池、開水路の建設が行われた。現在では8,300haの農地に用水を供給することで、地域農業の安定と発展に寄与するとともに地域経済に大きく貢献している。 本施設は岩木川の下流域に位置しているため、上流では大量の水が溢れる構造の堰(石留)、中流は少量の水が通過する構造の堰(蛇籠)、下流は完全締切りの構造の堰(俵留)を設置して、下流域にも用水が供給されるように工夫されている。 これは、当時の行政府が下流域での水不足を解消するために、留(取水口)の構造や設置に関する手引書を作成して指導していたためである。 また、開水路の延長は16kmに及ぶが、当時は測量技術が乏しく平地の高低差を見分けることが困難だったため、自然河川の流跡を踏査して結びつける「堰筋見分」という手法で測量することで、通水可能な勾配を確保した。 施設の設置後、1875年頃までは地域の配水秩序や施設の補修を行うために、地位の高い役職である「土淵堰奉行」が配置されており、維持管理や配水管理を徹底することで、安定した用水量の供給を確保した。現在では、農家組織を中心として適切な維持管理が行われている。 また、当時補給的に用水供給するために築造された「廻堰大溜池」は、受益面積の拡大とともに改修され、現在では堤体長が日本一の4,100mを誇り、現在も安定した用水を供給し続けるとともに、景観に配慮した公園が整備され、地域の人々が安らげる憩いの場として利用されている。 |
大正6年の土淵堰 昭和30年の土淵堰 |
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